技術者たちの敗戦 -三菱零戦設計チーム-
- 作者: 前間孝則
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2013/08/02
- メディア: 文庫
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第1章の三菱についての内容を読んで
以前、感想を書いた堀越二郎氏の零戦の内容に少し似ているものがありますが、この内容は第3者が零戦設計部を見るという観点から書かれているので、技術的なことはあまり書かれていません。
三菱の飛行機製造工場が地震により以前のように機能しなくなり、零戦をはじめとする戦闘機の製造が滞ったところから始まり、敗戦、航空産業の禁止、零戦がどのような過程で有名になっていったかなどが書かれています。
印象的な部分として、
神風特別攻撃に零戦が使用された際に設計部の方が「こんなにたくさんの人を死なせるのなら作らない方が良かった」というコメント。
零戦の知名度は零戦と空中戦を繰り広げた当時のアメリカ軍パイロットの方の絶賛から広がったこと。
三菱は航空産業を禁止された際、「航空産業はかならず復活する」と予想し、社内に航空に携わった社員を留めておいたこと。
でした。
ただ少し残念だったのは、どちらかというと三菱という企業立ち直しよりも零戦の知名度について重点をおいていた点です。 個人的に三菱についてもう少し知りたかった。